地震の予知・予言は当たるのか

地震予知は、科学的な地震研究によって地震の発生を予測することです。一方、予言は、予知能力や宗教的な力を持つと主張する人間によって唱えられる非科学的な将来予測です。ここでは、科学的な地震予知についてお話しましょう。

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地震予知は、Quake Hunterと呼ばれる世界中の地震学者や地質学者によって、活発な研究活動が続けられています。地震大国である日本では、政府の取り組みも積極的であり、国公立大学や気象庁・国土地理院を含む国の研究機関などによって地震予知連絡会が組織され、地震予知についての専門的な研究と検討が行なわれています。これらの研究は、主として地球のプレート境界付近で発生する「巨大地震」の前兆をとらえ、その発生を予知しようとするものですが、一般的に言って、いつ、どこで、どれだけの規模の地震が発生するかということを正確に予知できるまでには至っていません。

しかし、地震予知の技術は着実に進歩しています。近年、ギリシアにおいて、石灰岩台地という特殊な地質条件下に限ったものではありますが、正確な地震予知に成功した事例が見られました。また、日本においては、東北大学・地震噴火予知研究観測センターの松沢暢(とおる)教授が1999年に発表した論文(英語)により、海底のプレート境界で発生する地震の予知に世界で初めて成功しました。

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松沢暢教授が1999年の論文で発表した予測は、「2001年11月までに釜石沖でM(マグニチュード)4.8の地震が起きる確率は99%」というものでした。果たして、2001年11月13日午後4時45分、岩手県釜石沖でM4.8の地震が発生し、詳細な予測が的中したことで世界の地震研究者を驚かせました。松沢教授の地震予知は、プレート境界には周期的に同じ規模の地震をくりかえす地点(いわゆる「地震の巣」)があるという仮説に基づき、近代に入ってからの膨大な地震観測データを整理してその地点・規模・発生周期を特定するという手法です。この予知方法は、過去に発生した地震の観測データがある限り、世界中のどこのプレート境界においても活用することができる方法であり、画期的な地震予知方法として注目を集めています。

日本には、地震に関する公的な専門研究機関以外にも、政府認証のNPO法人「大気イオン地震予測研究会」と称する民間研究機関なども活動しています。それらは、精神的な世界の産物である予言や占いなどとは隔絶した、科学的な研究活動を行なう人々です。その地道な研究・観測活動も、松沢教授の研究成果のような画期的な地震予知として結実していくことが期待されます。

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