地震と津波




地震のときに津波が発生することはよく知られていますが、津波がどれほど恐ろしいものであるかは、実際にその被害を受けた地方の人たち以外には、あまり知られていないようです。日本で津波の怖さが住民に知れ渡っている地方としては、東北地方太平洋岸の三陸地方(青森県南部〜岩手県〜宮城県)が挙げられます。

1960年(昭和25年)5月24日未明、リアス式海岸が美しい三陸海岸を「チリ津波」が襲いました。これは前日にチリの近海で起きた巨大なチリ地震(マグニチュード8.5)によって発生した津波です。チリ津波は環太平洋全域に波及し、発生から9時間でメキシコ沿岸へ、12時間でニュージーランド、17時間でハワイ、そして22時間後には東日本の太平洋岸に到達しました。日本全体では142名が死亡あるいは行方不明となりましたが、三陸海岸での人的被害がもっとも多く、岩手県大船渡市で53名、宮城県南三陸町で41名でした。この地域は、歴史上、たびたび津波の被害を受けた地域であり、1896年(明治29年)、三陸沖150kmの海底で発生したマグニチュード8.5の巨大地震では、最大波高38mを越す大津波が襲来し、死者22,066名、流失家屋8,891戸という甚大な被害を受けました。最新の研究で東日本とその近海がいわゆる「地震の巣」の密集地域であることがわかっていますが、それに加えて、小さな湾と切り立つ海岸線が連なる典型的なリアス式海岸であることが、度重なる津波被害の要因となっています。


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